小児看護学

小児看護学 Pediatric Nursingとは

 小児看護は、あらゆる健康レベルにある子どもとその家族を対象とし、子どもの健全な育成と、成長・発達過程に生じやすい健康問題の解決に向けた看護を提供します。大学では、子どもの健やかな育成を支援できる能力と、成長・発達過程にあるため成人とは異なる身体的・精神的・社会的特性をもつ子どもの健康の維持増進、回復を促進する実践力を身につけます。また、子どもは家族の中で成長・発達する存在であるため、子どもと家族を一つのケア・ユニットとして捉え、家族が健康に配慮した子育てができるよう支援する能力も育成します。
 近年、出生率の低下や疾病構造・育児環境の変化に伴い、小児の健康の保持・回復だけでなく、その子がその子らしく生きられるように支える看護が求められています。小児看護学は、ヘルスプロモーションの視点から、子どもの健康の維持増進や病児・障害児の健やかな育成、子育てに悩む親の支援など、子どもと家族の健康課題を探求する学問であり、大学ではこれらの包括的な看護を研究しています。

小児看護学の授業科目

小児看護学概論(必修科目) 2年次前期 1単位・15時間
 担当:幸松美智子・江藤千晴

 授業のねらい
 小児医療や小児看護の歴史的変遷を通して子どもと家族がおかれている現状と課題を理解し、子どもの権利を擁護する専門職者としての姿勢と小児看護学が果たすべき役割を学ぶ。また、子どもと養育期にある家族の成長・発達の特徴と課題、生じやすい健康問題を理解し、小児期におけるヘルスプロモーション能力の育成の重要性とその方策について学ぶ。小児をとりまく社会的環境が小児とその家族の健康に及ぼす影響を理解し、社会の変革者としての看護職の役割について考察する。

小児看護方法論Ⅰ(必修科目) 2年次後期 1単位・22時間
 担当:幸松美智子・江藤千晴

 授業のねらい
 子ども時代は、精神・身体機能が急速に発達、成熟していく時期であり、この時期の健全な発達は人間の生涯発達に大きく影響する。成長・発達していく子どもを、身体、運動、言語、認知、情緒、社会性といった多面から理解を深めるとともに、その成長・発達に影響を及ぼす外的・内的環境を学習し、子どもの健全な育成に必要な成長・発達支援や親育て(育児)支援の有り方を学ぶ。

小児看護方法論Ⅱ(必修科目) 3年次前期 2単位・44時間
 担当:幸松美智子・江藤千晴

 授業のねらい
 健康障害が子どもと家族に及ぼす影響を理解し、健康障害のレベルに応じた看護が提供できるように、小児看護の基盤となる諸理論および専門的知識を学ぶ。小児およびお家族の権利を尊重し、擁護するための知識および倫理的態度を身につける。

小児看護学実習(必修科目) 4年次前期 2単位・90時間
 担当:幸松美智子 江藤千晴

 授業のねらい
 健康障害や入院が小児およびその家族に及ぼす影響を理解した上で、小児の成長発達段階に応じた適切な看護援助が実施できる基礎的な知識と技術および態度を養う。

 実習方法
 1.実習場所:大分大学医学部附属病院小児科病棟
 2.実習期間:2週間
 3.実習内容:入院中の小児を1名受け持ち、看護過程を展開する。

たなばた会
たなばた会
クリスマス会
学内カンファレンス

研究と社会貢献

~2024年度 研究・教育・社会貢献

1.研究

 【著書】

  1. 幸松美智子(編集:中野綾美):小児の発達と看護2章3節,メディカ出版第7版
  2. 幸松美智子(編集:中野綾美):小児看護技術8章,3章-8章コラム,メディカ出版第5版

 【研究発表】

  1. 江藤千晴、森万純、大野夏稀:大学教員との共同企画の研修会をとおして臨床指導者に生じた意識や態度の変化、日本看護研究学会第48回、2022
  2. 江藤千晴、益守かづき:AYA世代の重症心身障害児・者と暮らす親の養育及び介護生活の実態、日本家族看護学会第29回学術集会、2022 3) 江藤千晴、益守かづき、幸松美智子:思春期・青年期重症心身障害児(者)の社会参加への養育者の負担感、第30回大分小児保健学会、2022
  3. 江藤千晴、益守かづき、幸松美智子:思春期・青年期重症心身障害児(者)の社会参加への養育者の負担感、第30回大分小児保健学会、2024

2.教育(2024年度分)

「学士課程」

幸松美智子科目名(時期)
科目
責任者
看護学総合実習(4年前期),看護実践基盤技術Ⅱ(4年後期)
担当生理学の基礎(1年前期), 生理学の臨床応用(1年後期),医療・看護倫理学(2年前期),保健学(2年後期),看護OSCE(3年後期),看護研究(3年後期),家族看護学(3年後期)
江藤千晴科目
責任者
家族看護学(3年後期)
担当看護学探究入門(1年前期),看護過程論(2年通年),基礎看護学実習Ⅱ(2年後期),看護OSCE(3年後期) 看護研究(3年後期),看護学総合実習(4年前期)

「修士課程看護学専攻」

幸松美智子科目名(時期)
科目
責任者
小児看護対象論(前期),家族看護論(前期),母子看護学特論(後期),小児看護援助論(後期),看護基礎教育論(隔年前期),看護専門職教育論(後期)
担当看護倫理(後期)

3.社会貢献(2024年度以降)

幸松美智子日本小児看護学会査読委員
江藤千晴九州・沖縄小児看護教育研究会 幹事